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董卓の娘相談スレ

3 :名無しさん:2021/02/07(日) 00:25:01 ID:lwLall0M0
●16レス目まで一人称で小説化してみました。董青ちゃんの外見描写が欲しいですね。

 私の目の前には、漢字が書かれた竹の板を束ねたものが広げられています。
 竹簡、とかいうやつです。
 紙に書かれた書物もあるのですが、たいそう高いようで。
 私のような小娘の手習いには、このくらいがちょうどよいのでしょう。
 家庭教師の先生にうながされて、私は初めて目にするその竹簡を読み上げます。
 
「えっと、天地玄黄 宇宙洪荒。
 天地は黒くて黄色くて、宇宙はとっても広い」

「「「おおお!!」」」

 私は竹簡の文字と、その意味を読み上げました。
 家庭教師の先生たちが驚きの声をあげます。

「いやはや、太守様。ご令嬢は天才ですな。まさか七歳で、このような」

「うむ、これはすごい。しかし男だったならなあ……」

 お父様はそう言いつつも、悲しそうな顔をなさいます。
「男だったらなあ」と言うとき、いつもこの顔をなさるのです。
 聞くところによれば、お兄様はそれはそれは聡明だったそうで……ですが、若くして亡くなられたのですよね。私は顔も覚えていません。残念なことです。

「……父上。女だてらに学問などしては、嫁入り先もなくなりますよ?」

 横合いから厳しい声が飛んできます。
 こちらはお姉様。とても怖い方です。
 私よりも一回りも年上で、嫁入りも決まっておられます。

「それは普通はそうだが、宮中では学問も必要だというのでな。どうせならば。」

「おお! では将来は貴人や皇后ですか、なんとすばらしい」

「いやいや、妹にはもう少し普通の人生をだな。州内にも名家は多くあるではありませんか」

 お父様もお姉様も、お父様の部下の方も、何を言っているのでしょう。
 娘がちょっと漢字を読めるくらいで、大げさな。
 そもそも私、まだ7歳なのですが。

「ああ、恐ろしい、恐ろしい……主公、まだこのように小さい子が書をすらすら読むというのは、よろしくありません。あまり勉強はさせないほうが良いのでは?」

「何を言うか貴様! 今も聞いたであろう。皇后となられるお方だぞ!」

 こんどは家臣のみなさんが言い合いをはじめてしまいました。

「あまりに不自然なことをやり続けると報いが来るのだ! 何か変なことが起きたらどうする!!」

「父上、わたくしも彼に同意ですよ。あまり無理はされないほうが。」

 お姉様も参戦して、だんだん収拾がつかなくなってきました。
 
「あの、父上…… 私が少し字が読めただけで、ちょっと話が飛びすぎでは……」

「お、おお、確かにそうだな。
 これ、あまり先のことを言いすぎたワシが悪かった。静まってくれ。
 で、次は何をやるのかね?」

「そうですね、えっと、では、これは読めますか? 太守様の御名ですが。」

 そういって家庭教師の先生方は、別の竹簡を私によこします。

「ああ、はい、読めます。えっと……」

 大漢 河東太守

 董卓 字仲穎

「とう……」

 とうたくぅぅぅぅぅぅ!?

 残忍にして暴虐非道。皇帝殺しの大罪人。
 暗殺され、一族皆殺しにされた三国志の大悪党。
 私、あの董卓の娘らしいです……

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