ローカルルールを必読のこと

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神奈いですの雑談スレ10

1 :神奈いです ★:2021/06/27(日) 17:09:29 ID:admin
                         ,.。s≦il
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              ___,.。s≦///////...rj..|
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               ∨ ̄ ̄ |..・....l..・......|........_......|/:.:.:.:.:.:.:.ヽ
             ∨ ........|....... |..........|,...斗匕ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
              /:.∨_[]_|斗r七爪/,:へ、:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:.:.‘,
             ‖':.:.:.:|...................../,:へ:斗―ミ___:.:.``ヽ:.:.:.:.:.‘
            ‖!:.:.: /................//ヽゝァテ示iゝ!:.:. ̄:.:.:.`、:.:.:.`、
          |i |:.: /............./,ィテi    ゞ‐',,,レ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、:.:.:`、       現在は董卓の娘投下報告スレやで
          lハ:/..........//ゞ‐'  '     ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト:.:.:.:`、
              /.......//乂ヘ''''   ( フ ,ィ  ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',  \ヽ
           lニニ/:.:.:.:>/7;≧=‐rくy,|-r七==<:.:.:.:.:.:.:.',   ヽゝ
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          _ノ{:: :: :: :: :: 入:: :: :: :: :: ::_:: :: :: :: :: :: :: ::)ー-__
         ∨/ハ:: :: :: ://|/〕:: :: /////\:: :: :: :: ://////
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神奈いですの雑談スレ9(文明復興行動案相談スレ)
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神奈いですの雑談スレ7(文明復興行動案相談スレ)
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 DISCORD (捨て垢でどうぞ) https://discord.gg/jYv8Kfc
 ついったら 直接連絡はこっちに@kana_ides


9749 :名無しさん:2025/01/23(木) 08:46:06 ID:/XihslPx0
怒りを食うタイプの亜種がいたらげらげら笑いながらNDKしにいきそう

9750 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 09:26:09 ID:admin
公爵宮殿の大広間は魔道灯に照らされたシャンデリアのきらめきに包まれていた。
一面の壁には公爵家の歴史を語るタペストリーが貼られており、その前に設えた豪奢な席に、新郎と新婦が座っている。
その両側を両家の親族が固め、来客を待ち構えていた。
会場には楽隊のお祝いの曲が満ちており、参列者たちの心を浮き立たせる。

結婚式の翌日は半日をかけた大披露宴である。

名だたる貴族たちが次々に現れ、婚姻を祝う贈り物を贈呈する。
贈り物自体はすでに倉庫に回収しているので、実際には見本を一つだけと目録を代わりに贈るのだ。
この席で贈り物をもらっていては、新郎新婦が贈り物につぶされて死んでしまう。
見本だけでもすぐに倉庫にしまいなおされる
それだけの規模で披露宴が進行している。

それぞれ帝都産の名品や魔道品、工芸品などを次々に献上していく。

そして新郎新婦、そして側に付き添う公爵と言葉を交わしていく。
新婦がなぜか眠そうで、新郎がお疲れ気味なのを除けば大きな問題はなく式が進んでいった。

親族たち、西大公派閥、それ以外の領主たちの番が終わった。
会の大詰めに近づいてきたときに番が回ってきたのが、迷宮伯嫡子のオウドである。

「グリムホルン迷宮伯嫡子、オウドリヒト・フォン・グリムホルン卿ーー!」
執事が名前を読み上げる。

礼服に身を包んだオウドが新郎新婦の前に進み出る。
新郎新婦に一礼をし、また親族席に一礼をする。
親族席に座っているアメルニアーナ姫と目が合い、微笑むと向こうもにっこりと笑い返してくる。

「この度はご結婚おめでとうございます。我が領地から些少ではありますが贈り物を」
オウドが贈り物の毛皮のうち一番いいものを1枚。
護衛の騎士に持たせて新郎新婦の前に差し出した。

「へっ」
「ふふっ」
新郎新婦の後ろに控えている重臣席で将軍と書記官長があざ笑う。
田舎領主らしく貧乏くさい贈り物だ。みな大枚をはたいて帝都の最上級品を持ってきているというのに。

眠そうな顔をしていた新婦が目を見開く。
新郎の脇を突っつきながら大げさに言う。

「おお、これは何と素晴らしい毛皮なのかしら」
「うん、とてもいいね。送り主の心がこもってるのが見えるようだ」

合わせて贈り物をほめたたえる新郎。

「ねぇ、将軍、書記官長は、どう、思う?」
新婦である公爵嫡女が冷たい笑みをたたえて、後ろの重臣に振り向いた。

「……は」
「えっと……」

硬直する二人。

「こ、これは……艶やかで……」
「毛並みもそろっており……」
ぴくぴくと頬を引きつらせながら、必死に毛皮をほめる二人。

「過分なお言葉にお礼の言葉もありません。ありがとうございます。
しかし、この毛皮を手に入れるまでにはとある話がありまして」
「ほう、ぜひ聞きたい」

オウドの言葉に首を乗り出す新婦。

そこでオウドは芝居がかった身振りで歌い始めた。
「これはお金のない貴族の嫡子のものがたり」
「おお、ゴブリンがいるならば、討伐せざるをえず」
「兵糧もなく資金もないが、騎士たちの気持ち一つを頼む嫡子」
「封建の契約を忘れ、ただ正義のために立ち上がる騎士たち」
「集まりしは精鋭の騎士、富も報酬も求めず、ただ名を惜しむ」
「悪霊小鬼は二百三百。収穫を損ない家畜を奪い民を苦しめる」
「精強無比の騎士たちは数倍の小鬼たちを蹴散らす」
「そのとき、小鬼どもの後ろからは魔石を食ったオルク、悪霊大鬼」
「か弱き村人なれど、大鬼小鬼の悪行は見逃せず」
「逃げんとするオルクに対し、立ち向かうは十尺の棒一つ」
「ここで逃がせば千年の憂い、勇敢なる村人はオルクを追い詰め」
「嫡子は見事魔石食いの大鬼の首を刈りおわんぬ」
「その討伐で手に入れたのがこの毛皮」
「わが領地の民と騎士との信頼の証であります」
といってオウドが一礼する。

そこまで聞いて、新郎新婦が拍手した。
「……素晴らしい!」
「歌上手いな」

横から公爵も口を出す。
「かように君臣一体の素晴らしい領地の嫡子であるから、余の命を救い、
魔王の陰謀をくじき、広場で魔王を追い払うことができたのだ。改めて礼を申す」

深々と礼をするオウド。
「私など何もしておりません、すべては皆様の徳とお力によるものです」
「皆の者も、この勇敢で民想いの若君に拍手を!」

「おお!」
ぱちぱちぱち……

満場の拍手が会場を包むのだった。


オウドは深々と礼をして思った。
やっとボクの家臣と領民たちを認めさせてやったぞ。すっきりした。

なお、そのあとグスタフ伯爵のポーションも紹介した。
なぜか新郎さんがすぐ飲んでとても喜んでいた。

披露宴が終わった。



9751 :名無しさん:2025/01/23(木) 10:11:47 ID:/XihslPx0
新郎新婦から今回の件の歌作る依頼が来ないかな
まあお抱えの詩人に作らせるか

この魔王対策なら笑い話か英雄譚にして広めるのが効きますよね
「魔王が出た」だけ広まったらよくないし
間抜けな魔王がこてんぱんにされた西大公家は安泰だ若者の勇気に祝福をみたいな

9752 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 10:11:49 ID:admin
「なぁ、本当に要らないものないのか?」
「要らないよ」

迷宮伯嫡子のオウドです。
さっきからアミリ先輩が褒美を押し付けようとしてきます。

うーん、西大公にあんまり頼りたくないし、あんまり多大な贈り物貰っちゃうと従属への道がつながってる気がする。
母さんからも他家に貸しは作っても借りは作るなと言われているし。

なお、毛皮の返礼の引き出物はすごい豪華な食器とかナイフとかベルト飾りとかボタン飾りとかを4箱ぐらいもらっている。
これは贈り物の交換だから貸し借りはない。
うち、1箱は今回活躍した護衛騎士へのご褒美に使った。自分ちの家臣にはどんどん贈り物をして従属させて問題がない。

なんていえば諦めるかな。素直に言うか。
褒美とか欲しくないって。
先輩のお姉さんの結婚式が壊れたらかわいそうだと思ったのと、ウチが巻き込まれるのも嫌だなって思っただけだよね。
だから。

「そんなことのためにやったんじゃないし、ただ先輩が悲しむと思って」
「えっ……」

なんか先輩が照れてる。可愛い。
でもなんで照れるの……あ。

「あ、いや、先輩のためっていうか、ウチの領地のためにもなるし!」
「……」

なんか変な誤解を生んでるのがわかる。誤解……かなぁ?

「……」
「……」

なんか無言が続いて耐えられない。
とにかく話題を変えよう。

「そうだ、錬金術ギルドを紹介してくれない?魔石と土の護符を交換したいんだ」
「それぐらいタダで貰ってあげるぞ」
「だから褒美とかじゃなくて取引がしたいんだって」
「うーん、分かった」

アミリ先輩はあまり納得してないようだったが、公爵領都の錬金術ギルドを紹介してくれた。

 ― ― ― ― ―

「土の護符か、大得意だ。僕に任せろ」

なぜか錬金術ギルドに行くとお婿さんがいた。
大喜びで自分がやるといいだして魔石を奪われた。

そういえば婿さん、土属性の上級魔導士だった。

「この魔石を使うか……これだとあれだな。半分以上余るぞ」
「そうですか?土の護符と交換して足りないって聞いてたんですが」
「それは商人への売値じゃないか?素材としての価値なら半分はあまる。何か護符以外でほしいものがあれば作るがどうする?」
「でしたら……」

婿さんに加工をお願いした。
加工待ちの間に町にでて一通り必要な買い物を済ませる。

そして出発の日になった。

 ― ― ― ― ―

数日だったはずだが、なんかとても長くいた気がする。

ボクたちは帰り支度を始めている。
公爵宮殿の中庭で荷造りだ。

護衛の騎士たちがそれぞれに荷物を馬車に積み始めた。
なんか来た時より荷物が増えてる気がする。


「この砂糖を持って帰ったら嫁が喜ぶだろうなぁ」
「俺は砂糖は売って指輪にしたぜ、これであの子に結婚を申し込む!」
「ああ、金欠で結婚資金なかなかなかったからな」
「こっちは砂糖を売って、夫の服にしたよ」

騎士たちもお土産を持ってうれしそうだ。
みんな時間を見つけて買い物に行けたんだな。

「休み取っていくから……」
「待ってるよ……」

アミリ先輩のメイドとウチの騎士の一人がなんか別れを惜しんでいる。
いつ仲良くなったんだ。

「ねぇ、ご褒美で貰ったこの耳飾り、似合うと思って」
「え……いいの?実は私もこれ……」
なんか若手騎士と年上の騎士さんも何かアクセサリ交換とかしてる。

いいなぁ、ボクも恋人がほしい。


と思ってるとアミリ先輩がいつもの色眼鏡と魔導士ローブ姿で現れた。
いつもの中性的な口調になっている。
「もう帰るのか」
「領地を長く開けてられないしね……先輩は帝都の魔法学園に戻るんだよね?」
「ああ、ちゃんと卒業したいしな……」
先輩は遠い目をしてつぶやくと、真剣な口調になった。

「なぁ、やっぱり魔法学園に戻らないか?学費ぐらいは出すって父上が」
「……その借りは返せないよ」
「……そうだよな。済まない」

先輩は元気なく伏し目がちに言う。
「お互い、身分と家から自由になれないな……」
「貴族だしね」
家の外交方針に反することはなかなかできない。たとえそれがいろいろな意味でベターでもだ。

「なぁ、その、もし私が家を捨てれば……いや、いい。忘れてくれ」
「……うん?わかったよ?」

先輩が最後に何を言いたかったのか、分かるようなわからないような。分かってはいけないような気がして。
ボクはグリムホルン迷宮領に帰るのであった。







9753 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 10:12:18 ID:admin
やっと2章終わったーーーーーっ!!!?クッソ長かった!!!!!寝る!!!

9754 :名無しさん:2025/01/23(木) 10:27:03 ID:VSg/nY++0
おつです

9755 :名無しさん:2025/01/23(木) 10:36:32 ID:QQa3TRqE0
乙ー
おやすー

これなら、後々他のヒロインがいる中で押しかけてくれば十分コントロール効くな

9756 :名無しさん:2025/01/23(木) 10:50:23 ID:/XihslPx0


迷宮産出から買って消費地まで運ぶと倍以上になる
すると帝都製品とかも倍以上になるのか

婿さんもうちょっと柔らかい印象があったけど対外はこんな感じなんですね
背伸びしてるショタみ

9757 :名無しさん:2025/01/23(木) 10:50:54 ID:w7YoWO4o0
おつおつ

9758 :名無しさん:2025/01/23(木) 12:17:45 ID:jFR9/7hM0
将軍と書記官長は大丈夫なのかコレ

自分の主君筋を、大事な結婚の場で身を呈して守った、皇帝直参の貴族に対して
披露宴の場で失笑をかますとか、色々と立場分かってんのかな?

9759 :名無しさん:2025/01/23(木) 13:08:35 ID:/XihslPx0
「我々がいないと巨大なる西大公領は回らんからな、強く咎めることなどできんのだよ、がっはっは」
「父上への義理は今回で果たしたから」

9760 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 14:18:31 ID:admin
そいつらは割と思い上がってるから。

査読してもらって違和感なければ投下していくか。

9761 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 14:48:57 ID:admin
24話 闇が現れた!
https://kakuyomu.jp/works/16818093091603659446/episodes/16818093092675330430

25話、26話カクヨムで16時、17時更新予約です。

9762 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 15:04:47 ID:admin
<3章プロット カネがないけど領地の諸課題>

・オウド君、途中でグスタフ先輩と別れ故郷に帰る。結婚式での対応のお礼を言われる
・帰国してルークに結婚式の話をする。「そこまでしろと言ってない」「えー」「で、ご不在の間の宿題です、領内向け借金の借り換えスキップ、裁判が3件、各支城と本城の収支報告、グリムホルン市からの定例報告と市参事会の人事承認願い、神殿人事です」
・たまってた許認可申請を一晩で片づけ、ついでに行政書類を読み込む。
・「お金がないのはわかるけど、表面的な報告で領地の状況がよくわからないな……」
・よし、自分で見に行こう。

・ルーク「こんな一晩で終えるとか、まぁ適当でもサインだけしてもらえればいいんですが……うわめっちゃ赤はいってるなにこれ」

・外出するが妹ちゃんにつかまる。デレ。
・ビア樽ババアのところへ行く。
・迷宮を見学させてもらう
・女冒険者ちゃん登場、ツン。
・冒険者登録する
・クエストを貰う。
・クエストをやる
・移民差別を見る
・流民娘登場
・よし流民村に行ってみよう
・みんなで歌って仲良くなる。流民娘ちゃん歌が上手くてかわいい。

9763 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 15:10:20 ID:admin
突然キャラが増えすぎだろ

9764 :名無しさん:2025/01/23(木) 15:25:16 ID:/XihslPx0
領からの仕事が減って、
下級や初級冒険者救済の半公共事業仕事も減って、
商人が減ったから護衛も減って、
領主にカネ貸してる大商人からの迷宮系依頼ばっか
依頼料が低くて放置されてる都市外の村の魔物被害対策の仕事が手を付けられずに余ってる

9765 :名無しさん:2025/01/23(木) 16:53:22 ID:jFR9/7hM0
手っ取り早く儲けるには、魔王教の人達に魔石を売って金に買えるのが良さそう

直接やると色々とマズいから、後で始末しても良いやつにやらせてマージン取るか

9766 :名無しさん:2025/01/23(木) 17:31:33 ID:JCwRrQF+0
魔王教の信者パーティが魔石掘りに潜ってそう

9767 :名無しさん:2025/01/23(木) 17:56:44 ID:B2KqeB3t0
舞台が領地の迷宮に移るから仕方なくない?

9768 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 17:56:44 ID:admin
人類の敵を認識して売るのもそんなキャラじゃないし、
認識しないで売っててバレたらコメント欄で叩かれるだろ。
危険だぞ

9769 :名無しさん:2025/01/23(木) 18:25:53 ID:7jVJsomd0
搾り取られてるショタ新郎に栄養ドリングが上手いなぁ
予想してなかったので、おぉってなった。

9770 :名無しさん:2025/01/23(木) 18:30:30 ID:7jVJsomd0
ルーク君視点で、若君は思ってたのと違うってのを入れていいかも

9771 :名無しさん:2025/01/23(木) 18:49:04 ID:jFR9/7hM0
じゃあ迷宮の魔石在庫を囮に魔王教の人達を集めて拿捕して、奴隷に売るとか?

奴隷に売るのも評判悪いなら、刑罰として労役を課して開墾や灌漑水路の整備をさせるとか

9772 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 18:49:26 ID:admin
ルーク君が若君をどう見ててどうかわったか。採用したいので、
具体的にどこを褒めるのが良いでしょうか。提案募集です。


9773 :神奈いです ★:2025/01/23(木) 18:50:39 ID:admin
そもそも魔王教が魔石集めてるってのがメタ情報だから
自然にその展開にするの難しくない?

9774 :名無しさん:2025/01/23(木) 19:18:14 ID:7jVJsomd0
ルーク君、若様が学園言ってる間のこと知らないから、
母親の執務態度から息子も似たように思ってたんじゃないかな

母親は今までの描写からすると豪傑って感じだし、ざっくばらんな印象
でも、オウド君は内容読み込んでしっかり判断してる

あとは騎士たちにしろ、ビア樽ババアにしろ、ルーク君からすると理屈で動かせない人を
なぜか動かせてるとか?

9775 :名無しさん:2025/01/23(木) 19:33:26 ID:/XihslPx0
元は破天荒な当代と比べてまじめで大人しい印象だった
いまはなんかチャラいし英雄を夢見る若者どころか英雄になったような言動をしていて不安を感じる
ただ、やる気と行動力、決断力があり、想像以上の結果を出してくるのでわからなくなった
話は通じるが通じた上ですっとんでいくので共有してほしい
どこかで派手にすっ転ぶかもしれないので足元を支えないと

9776 :名無しさん:2025/01/23(木) 21:48:32 ID:4zVAAtOIi
>>9765
取引とかせず、魔王教を探してそのまま襲撃して金奪えばいいのでは・・・?

9777 :名無しさん:2025/01/23(木) 22:54:25 ID:B2KqeB3t0
流民が流民できるのは生活魔法で大抵の問題を解決できるから?ただし魔石がいるとか

9778 :名無しさん:2025/01/23(木) 23:19:58 ID:zRhltExa0
>・帰国してルークに結婚式の話をする。「そこまでしろと言ってない」「えー」「で、ご不在の間の宿題です、領内向け借金の借り換えスキップ、裁判が3件、各支城と本城の収支報告、グリムホルン市からの定例報告と市参事会の人事承認願い、神殿人事です」

まずい。この一文だけでルークへのヘイトが芽生えてしまった。疲れてるかもしれん。
多分、西大公での活躍に水が刺されたような気分になったんだろう。ご不在の間の宿題って、別に遊んでたわけやないんやで。

9779 :名無しさん:2025/01/23(木) 23:43:48 ID:arr6SwJs0
>各支城と本城、グリムホルン市
本城は領主の住居と軍事拠点だけでグリムホルン市を城下町としてるのではなく別個に存在している?もしそうなら読者に解説挟まないと理解難しそう

市参事会もあるから自治度の高い自由都市で迷宮攻略した英雄を担ぎ上げて領主に据えて判子係にしてるのかな
母さんのうちはいいけど代を重ねるごとに関係悪化しそう

9780 :名無しさん:2025/01/24(金) 00:34:33 ID:hEBrQmzV0
歴史ある西大公家の家臣団が外交関係であれほど質が低かったから
一代の英雄が起こした迷宮伯家の家政の質も察するべきではあるんだよね

そこはオウド君の留学経験に絡めて明確に描写した方がいいかも?

9781 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 01:33:35 ID:admin
低いというか鎌倉武士しかいない

9782 :名無しさん:2025/01/24(金) 01:58:53 ID:N0u71xiK0
宿題っつーか、領主の一族自身でないと決済できない案件じゃないの?
いや、家宰に仕切りを任せても別に問題ないはずだよな

領主本人限定ならともかく、領主の嫡子ならOKだけど家宰などの部下には
決済できない案件って何だ?

9783 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 02:03:45 ID:admin
家宰ですか、冒険の旅に出てますな。

9784 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 02:04:24 ID:admin
重臣がみんな旅に出ているんだ。しかもそれで行政が回ってるんだ。つまり行政など存在しない。

9785 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 02:06:04 ID:admin
Q:市の行政は?
A:市参事会の金持ち市民が回してる
Q:村の行政は?
A:村長と村役人が回してる
Q:城の行政は?
A:城代騎士が回してる

9786 :名無しさん:2025/01/24(金) 05:54:23 ID:N0u71xiK0
じゃあマジで、オウド君に勉強させるためだけの宿題?

9787 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 06:21:09 ID:admin
宿題って単語が悪いので変えます

9788 :名無しさん:2025/01/24(金) 06:45:19 ID:42F3Pn3e0
オウド君じゃないと処理できない案件がたまってますとか?

9789 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 07:08:17 ID:admin
第三章 カネがないので無料で内政


夏に向けて少しずつ強くなる日差しが騎馬と馬車の一行を照らしている。
道沿いの草木は生き生きとした緑で覆われ、太陽の祝福を浴びて輝いている。
目の前に広がる道は視界の限りに続いていて、風がみんなの背を押すように足取りは軽やかだ。

迷宮伯嫡子のオウドリヒト・フォン・グリムホルン、つまりボクは初めての外交を成功させた達成感と、
政治の重圧から逃れた解放感に浸りながら、馬を進めていた。

「いやぁ、しかしオウド君のおかげで良い取引ができた。感謝するぞ」
隣で同じように馬を歩ませているのは、小山のような背丈と筋肉をもつ隣領の伯爵、グスタフ先輩だ。

「ボクは先輩のポーションを婿さんにおススメしただけだよ。気に入ってもらえたのは先輩のウデだと思う」
ここでいう先輩というのは魔法学園の先輩だ。特技は錬金術でポーションを作ること。
西大公嫡女の結婚式で婿さんにポーションをおススメしたら、大変気に入ってもらえ、いい値段で定期購買の契約を結ぶことになったのだ。
不作の影響で景気が悪く、ポーションの売り上げが落ちて困ってたグスタフ先輩はホクホク顔だ。
もちろんこれは正当な取引だから公爵への借りにはならない。

「いや、しかし効き目や回復能力ならば帝都や公爵領都にもっといい錬金術師は居ると思うのだが」
「先輩のポーションって細かく成分とか調整してあって、怪我だけじゃなくて疲労の回復や栄養補給にも良いって母さんが褒めてたよ」
母さんである迷宮伯は元冒険者だ、長期で戦い続ける迷宮探索では疲労回復や栄養補給はとても重要だと言っていた。

「そうか、普通は戦傷や事故の怪我を治すのに使うから回復効果だけを狙うものな……俺の付与効果はダンジョンに潜らないなら不要か。まぁお疲れだったようだし……」

そこまで言うと、グスタフ先輩は「ん?」と何かに気づいたようだった。

「待てよ、それを定期的に飲みたいってどんだけ疲れて……ああ!」
「何に納得してるの?」
「……わからんか?」
「わからない、教えて」
「ははっ、オウド君が結婚したらわかるさ!」

むっ。

先輩は自分は小さくて可愛い奥さんがいるからって偉そうに。
さっきから先輩、先輩って言い続けたせいで帝都に帰っていったアミリ先輩を思い出す。

魔法学園で同じ魔物学の道を選んだ学友であり、一緒に大公家の問題を見つけて魔王の陰謀を防いだ仲間でもある。
彼女としばらく会えないと思うと、なんか急に寂しくなった。

結婚か……その前に恋人が欲しいなぁ。


9790 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 08:03:47 ID:admin
「というわけで、ボクに許嫁とか居たりしないよね?」
「帰ってきて最初の発言がそれですか。居ません」
「えー」

えー、ではない。
久々に帰ってきた若君を出迎えた若い書記官のルークは思った。
無事に帰ってきてくれてありがたいのだけど、外交の結果はどうなったんですか。

「そもそも近隣の同格の領主に適齢の令嬢がいないから、学園で探すように迷宮伯閣下からも言われてたんですよね?」
「うん」

「で、そちらの成果は……あ、いや予算不足で留学打ち切らせたのは申し訳ございません」
「はっはっは、ルークのせいじゃないよ。ボクも勉強で忙しかったしね」
謝るルークを宥める若君。

若君は思い出す。
辺境の新興貴族の嫡男ということで嫁入り前提になるから、向こうから狙ってくる人はほぼいない。
ただ自分から行くのは恥ずかしかったので演劇部で話し方や接し方を学んだ。
演劇っぽく振舞うことでなんとか女子と話せるようになったが、ウケはしても仲良くなれた子はいなかった。
魔物学ゼミで先輩と自習してる方が楽しかったので、勉強ばかりしてたのもある。

そこに少女が現れた。淡い青色の亜麻のドレスをひらめかせながらオウドに抱き着く。
「おかえりなさいお兄様。婚約者など不要ですわ!私がおりますもの!」
「ありがとうボクの美しく可憐なドルミーナ!」

オウドは妹の亜麻色の髪に軽くキスをすると、妹を離した。

「妹君がいらしても婚約者は必要ですよね?」
「そうだね」
「そんな!?」
ルークの冷静な指摘にうなづく若君と驚く姫君。

出来るだけ早く借金を返して妹のほうを留学に出さないとまずいのでは、と書記官ルークは思った。
妹は久しぶりに兄が留学から帰ってきてからなんかいちいち距離が近いし、兄は妹に甘い言葉をささやいている。

この兄妹はそろいの紺青の瞳を持っているが、髪は兄が茶色で、妹が亜麻色だ。
母である迷宮伯には固定の夫がいない。冒険先で気に入った男と付き合っては別れを繰り返してきた。
つまり、父が違うのである。

兄妹婚は推奨されていないが、半兄妹で稀に結婚に行きつくのがいる。
しかしグリムホルン伯爵家としては血縁が広がらずに閉じてしまうのはあまりよろしくない。
貴族と結婚して味方となる親族を増やすのが貴族の家として一番ありがたいのだ。

今は兄しか見えてないが、姫君も年頃の貴族の若者だらけのところに行けばきっとまっとうな恋愛をしてくれる……はずだ。と信じたい。

悩むルーク書記官をよそに、若君は違うことで悩んでいた。

演劇で訓練したのに年頃の女性の容姿を褒めるのってなんか恥ずかしいんだよな。
妹みたいに小さな子や一世代以上年上なら気楽に女性の容姿を褒められるんだけど。
アミリ先輩にも知性や人柄を褒めたことはあるけど容姿を褒めるのができなかった。
これでどうやって恋人を作ったもんだろうか……。

兄の誉め言葉を無邪気に喜んでいるドルミーナ姫を置いて、若い男二人は悩み続けるのであった。

9791 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 08:10:21 ID:admin
んーーーー。ちょっと違うな?

9792 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 08:12:47 ID:admin
※やりなおし

第三章 カネがないので無料で内政

夏に向けて少しずつ強くなる日差しが騎馬と馬車の一行を照らしている。
道沿いの草木は生き生きとした緑で覆われ、太陽の祝福を浴びて輝いている。
目の前に広がる道は視界の限りに続いていて、風がみんなの背を押すように足取りは軽やかだ。

迷宮伯嫡子のオウドリヒト・フォン・グリムホルン、つまりボクは初めての外交を成功させた達成感と、
政治の重圧から逃れた解放感に浸りながら、馬を進めていた。

「いやぁ、しかしオウド君のおかげで良い取引ができた。感謝するぞ」
隣で同じように馬を歩ませているのは、小山のような背丈と筋肉をもつ隣領の伯爵、グスタフ先輩だ。

「ボクは先輩のポーションを婿さんにおススメしただけだよ。気に入ってもらえたのは先輩のウデだと思う」
ここでいう先輩というのは魔法学園の先輩だ。特技は錬金術でポーションを作ること。
西大公嫡女の結婚式で婿さんにポーションをおススメしたら、大変気に入ってもらえ、いい値段で定期購買の契約を結ぶことになったのだ。
不作の影響で景気が悪く、ポーションの売り上げが落ちて困ってたグスタフ先輩はホクホク顔だ。
もちろんこれは正当な取引だから公爵への借りにはならない。

「いや、しかし効き目や回復能力ならば帝都や公爵領都にもっといい錬金術師は居ると思うのだが」
「先輩のポーションって細かく成分とか調整してあって、怪我だけじゃなくて疲労の回復や栄養補給にも良いって母さんが褒めてたよ」
母さんである迷宮伯は元冒険者だ、長期で戦い続ける迷宮探索では疲労回復や栄養補給はとても重要だと言っていた。

「そうか、普通は戦傷や事故の怪我を治すのに使うから回復効果だけを狙うものな……俺の付与効果はダンジョンに潜らないなら不要か。まぁお疲れだったようだし……」

そこまで言うと、グスタフ先輩は「ん?」と何かに気づいたようだった。

「待てよ、それを定期的に飲みたいってどんだけ疲れて……ああ!」
「何に納得してるの?」
「……わからんか?」
「わからない、教えて」
「ははっ、オウド君が結婚したらわかるさ!」

むっ。

先輩は自分は小さくて可愛い奥さんがいるからって偉そうに。
さっきから先輩、先輩って言い続けたせいで帝都に帰っていったアミリ先輩を思い出す。

魔法学園で同じ魔物学の道を選んだ学友であり、一緒に大公家の問題を見つけて魔王の陰謀を防いだ仲間でもある。
彼女としばらく会えないと思うと、なんか急に寂しくなった。

結婚か……それ以前にボクに恋人はできるんだろうか。

 ― ― ― ― ―

「というわけで、ボクに許嫁とか居たりしないよね?」
「帰ってきて最初の発言がそれですか。居ません」
「えー」

えー、ではない。
久々に帰ってきた若君を出迎えた若い書記官のルークは思った。
無事に帰ってきてくれてありがたいのだけど、外交の結果はどうなったんですか。

「そもそも近隣の同格の領主に適齢の令嬢がいないから、学園で探すように迷宮伯閣下からも言われてたんですよね?」
「うん」

「で、そちらの成果は……あ、いや予算不足で留学打ち切らせたのは申し訳ございません」
「はっはっは、ルークのせいじゃないよ。ボクも勉強で忙しかったしね」
謝るルークを宥める若君。

若君は思い出す。
辺境の新興貴族の嫡男ということで嫁入り前提になるから、向こうから狙ってくる人はほぼいない。
ただ自分から行くのは恥ずかしかったので演劇部で話し方や接し方を学んだ。
演劇っぽく振舞うことでなんとか女子と話せるようになったが、ウケはしても仲良くなれた子はいなかった。
魔物学ゼミで先輩と自習してる方が楽しかったので、勉強ばかりしてたのもある。

そこに少女が現れた。淡い青色の亜麻のドレスをひらめかせながらオウドに抱き着く。
「おかえりなさいお兄様。婚約者など不要ですわ!私がおりますもの!」
「ありがとうボクの美しく可憐なドルミーナ!」

オウドは妹の亜麻色の髪に軽くキスをすると、妹を離した。

「妹君がいらしても婚約者は必要ですよね?」
「そうだね」
「そんな!?」
ルークの冷静な指摘にうなづく若君と驚く姫君。

出来るだけ早く借金を返して妹のほうを留学に出さないとまずいのでは、と書記官ルークは思った。
妹は久しぶりに兄が留学から帰ってきてからなんかいちいち距離が近いし、兄は妹に甘い言葉をささやいている。

この兄妹はそろいの紺青の瞳を持っているが、髪は兄が茶色で、妹が亜麻色だ。
母である迷宮伯には固定の夫がいない。冒険先で気に入った男と付き合っては別れを繰り返してきた。
つまり、父が違うのである。

半兄妹なので万が一にもこの二人がくっついてしまうとグリムホルン伯爵家として血縁が広がらずに閉じてしまう。
家臣としては貴族と結婚して味方となる親族を増やしてほしいのにそれは困る。迷宮伯閣下もそうお考えのはず。

今は兄しか見えてないが、姫君も年頃の貴族の若者だらけのところに行けばきっとまっとうな恋愛をしてくれる……はずだ。と信じたい。

悩むルーク書記官をよそに、若君は違うことで悩んでいた。

演劇で訓練を続けたのに、年頃の女性の容姿を褒めるのがとても気恥ずかしい。
妹みたいに小さな子や一世代以上年上なら気楽に女性の容姿を褒められるのだが。
アミリ先輩にも知性や人柄を褒めたことはあるけど容姿を褒めるのができなかった。
こんな感じでもボクを好いてくれる人はいるんだろうか。

兄の誉め言葉を無邪気に喜んでいるドルミーナ姫を置いて、若い男二人は悩み続けるのであった。

9793 :名無しさん:2025/01/24(金) 08:14:54 ID:N0u71xiK0
おお、以前より危機感を感じて健全な感じがする

「結婚適齢期のド新興貴族が、何を悠長な」という感じが減った

9794 :名無しさん:2025/01/24(金) 09:34:14 ID:hEBrQmzV0
ここに問題があるぞって端的に示されてていいね

9795 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 10:34:48 ID:admin
迷宮伯の住居であるグリムホルン城はその名の元となった角笛の迷宮を見下ろす高台に建てられている。
角笛の迷宮のすぐ近くにはグリムホルン市が狭い市壁にひしめき合う家々を抱えて存在していた。
城は割と新しい。迷宮伯が皇帝から伯爵位を綬爵したときに、市の防衛の弱点である高台に城を築いてそこに移り住んだのである。

その城の一角、領主の椅子と最低限の家具しかない質素な石造りの謁見の間で若い書記官のルークは若君に問いかけた。

「で、西大公家の訪問と魔石の売却はいかがだったのですか?」
「はっはっは、忘れてた」
「忘れないでください!」

「えっとね」
若君はルーク書記官に西大公家での活躍を語る。
西大公家で無礼な扱いと丁重な扱いを同時に受けたこと。
従属するように迫られたこと。
独立派伯爵たちが怒って戦争寸前だったこと。
学友を通じて公爵を説得して謝ってもらったこと。
名簿整理をしたら魔王の刺客を見つけたこと。
魔王の刺客が西大公を暗殺しようとしたところを蹴り倒して止めたこと。
歌って魔王を撃退したこと。
領地の毛皮がバカにされたこと。
でもゴブリン討伐の経緯を説明したら褒めてもらったこと。
魔石は無事に土の護符と交換できたこと。

「まぁ、お兄様!まさに英雄のようですわ!」
「ありがとうドルミーナ!」

若君を手放しで褒めたたえるドルミーナ姫とその姫の頭をなでる若君。
その横でルーク書記官は唖然として口がふさがらなかった。
えー……と言いたい気分である。
まるで演劇や伝説のようなことを平然とやりきってきたというのだ。
留学前は破天荒な元冒険者の迷宮伯閣下に似ず、まじめでおとなしい若者だったはず。
いや、話を聞くかぎりマジメでマメなところは変わってない。ただ単に想像を超えることをし続けているだけだ。

一体この若君をどう支えていけばいいのだろうか。

そんな考えにルークが耽っていると若君がルークの肩に手をかけた。
「そうだ、領地の行政書類を確認しようと思ってたんだ。一式持ってきて」
「は、はい!ただいま!」

若君の前に文机が置かれ、その上に所せましと書類が並べられた。

「こちらが過去の決済分で、こちらは報告書類。こちらはお戻りになったらサインを頂こうとしていた分です」
「なるほど」

報告書はグリムホルン市や各支城、村々からの定期報告、そして本城の収支報告などだ。

迷宮伯領は封建制だ。
市は商人やギルド長などが参事会を作って自治しているし、城や村々は騎士たちの所領になっている。
よって簡単な定期報告は受けるが基本は彼らが行政を行っている。

「ご領主代理としてのサインを頂きたいのは、借金の借り換え契約書が2件、これは領内の商人から借りた分ですね」
「うん」
「あとはグリムホルン市参事会や神殿の神官、騎士の人事の承認、あと裁判結果の承認依頼……」
「わかった、ちょっと読むから時間頂戴」
「サインだけでいいんですが」
「読むよ」

領内のほとんどは自治していたり、家臣の領地だったりするのでほとんど彼らの提案を認めるだけでいい。
むしろあまり口を出すと家臣たちを信頼してないのかという話になる。
迷宮伯がいる間は書類を読むのを面倒がって、内容を読み上げさせては適当にサインしていた。

まぁ、過去の書類を含めると結構な量があるし、読み終わるのに10日はかかるだろうか。
「ではわからないところがあればお呼び出しください」
ルークには仕事がある。
迷宮伯が書類仕事ができる重臣たちをごっそり冒険に連れて行ってしまったため、書類仕事はほとんどルークが一人でやっているのだ。

ただ、行政というほどの行政をしているわけではないので何とかなっている。
せいぜい、本城の食費や修繕費などの経費の集計をするぐらいである。

足早に書記部屋に戻るルークを尻目に、若君はさっそく行政書類を読み込み始めた。

 ― ― ― ― ―

翌日、書記部屋に積み上げられた書類を前にルークは驚いていた。
すべてサインが終わっている。

まぁ、流石に読むのをあきらめたのか……と思っていたら各資料に細かく下線やメモが書いてある。
まさか全部読んだのか。

マメにもほどがあるだろう……やっぱり母君である迷宮伯閣下には似ておられない……。
と思っているとメイドが書置きをもって飛んできた。
見ると妹と散歩に行ってくるので探さないでください、と書いてある。

「そういえば迷宮伯様もよく城を脱走されてましたね」
「そこは似なくていいんだよおおおお?!」
とぼけたようなメイドの言葉にルークは叫んでいた。

9796 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 10:36:27 ID:admin
眠い寝る

9797 :名無しさん:2025/01/24(金) 11:57:11 ID:cxmjUbQT0
プロット段階であったルークくんへのヘイトがすっかり無くなって面白かった。
ここで断片的に語られただけの設定なんかもするりと盛り込まれて良かった。

9798 :名無しさん:2025/01/24(金) 12:18:19 ID:BdF+7Yy10
若君は事務能力も高いよね

迷宮伯は堂々と出かけるイメージ
咎められたら視察だ視察って有無を言わさず出る
だけど
仲間の重臣の中に口うるさい真面目なやつがいて面倒だから脱出していた。そしてルークとその人が苦労してたとか
フットワークが軽いのはあいつの長所だから仕方ないってあきらめ気味。でも言う。
ルークが一番関わっていたのがその人で、ルークもその人が言うから迷宮伯の破天荒なところを受け入れられていた
でも今はその人も一緒に出掛けてて、心労の方向性が変わったかと思いきや若君がやんちゃになって帰ってきた

みたいな妄想

9799 :名無しさん:2025/01/24(金) 12:33:17 ID:gjcBqrSm0
なんか逆に欠点や暴走する部分が無い、無個性な万能キャラに見えてきたな(クソワガママ)

はよう甘粕や河井ぐらい暴走しなきゃ

9800 :名無しさん:2025/01/24(金) 12:39:39 ID:H45LltQj0
>まるで演劇や伝説のようなことを平然とやりきってきたという

ルーク君はもっと半信半疑な方がよさそう
貴族は武勇伝を大きくしがちだし話を盛ってるのでは?
いやいや、英雄の息子だから本当にしたのかも?ぐらいで

9801 :名無しさん:2025/01/24(金) 12:40:12 ID:bFm5ioY60
オウドくんの設定だと異母兄弟居そうだよね
認定はされてないけどお互いに多分そうだろうと思ってる

9802 :名無しさん:2025/01/24(金) 12:51:41 ID:m6O4rtsl0
ママは出産しても元気に外を出回ってそうだから
他に育てる乳母がいて乳兄弟とかいそうな気がする

9803 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 15:02:16 ID:admin
堂々と出かけたらゾロゾロと護衛がついてくるんだ。

だから側近を嫌がって置き去りに、が正しい日本語か?

9804 :名無しさん:2025/01/24(金) 15:50:32 ID:BdF+7Yy10
護衛されるのを嫌って抜け出すんですね、なるほど

9805 :名無しさん:2025/01/24(金) 16:21:46 ID:BdF+7Yy10
>>9800
あとで随行した騎士たちにも聞き取りをしようと考えるとか?

ルークはゴブリンの件で若君の魔法のような交渉力を目の当たりにしているから
想定の埒外のことを言ってもまじっすか、ほえーって感じかも
半信半疑だとしてもちょっと向きが違うかも

9806 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 16:29:54 ID:admin
ルークの反応のところを修正します。

9807 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 16:30:42 ID:admin
護衛ほったらかして領内うろつく時点で貴族としては暴走キャラなんだけど、なろうの転生貴族みんなそれやるから暴走に見えない欠点。どうすれば。

9808 :名無しさん:2025/01/24(金) 16:37:01 ID:sa52UoBA0
常識のある人に叱ってもらうか泣いてもらうことで異常性をつたえるしかなさそう

9809 :名無しさん:2025/01/24(金) 16:48:20 ID:N0u71xiK0
次の話で周囲からめちゃくちゃに怒られるしかない

その上で全く反省してないし自分が正しくて相手が間違っていると断言したり
心のなかで思ったりする

思えば甘粕も、何度叱られても独断専行を止めなかった
独断専行しなかったら、先輩方が勝手に戦争始めてしまうからだが

9810 :名無しさん:2025/01/24(金) 16:48:36 ID:BdF+7Yy10
ご当主様であっても一人の行動は諫められていたんですよと
身の危険も貴族の面目もあるんですよと
言ってくれる人は誰だろう

9811 :名無しさん:2025/01/24(金) 17:28:33 ID:BdF+7Yy10
英雄が油断して思わぬところで奴隷に刺された英雄物語とか挙げて諫められるとオウド君弱いかも

この件と結婚問題を思い出した家臣が相談して騎士子が護衛に抜擢されるとか

今のプロットの次の章あたりで

騎士子自身は護衛任務Tだと思っているけど親とかに狙っちゃえよって言われていて
フリーダムな若君に否定的(ツン)
今回の抜擢は最近女子を侍らせてる若君がによるものだと思っている

9812 :名無しさん:2025/01/24(金) 17:31:12 ID:N0u71xiK0
よしじゃあいっそ護衛無しで歩いてる所に激強暴漢や強盗騎士でも出して死にかけるか!

9813 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 17:35:46 ID:admin
違うぞ、甘粕は怒られたら悪いと思ってるが、次の行動する時は完全に新規でやるべきだからやるとしか考えないんだぞ。

9814 :名無しさん:2025/01/24(金) 17:56:47 ID:VV931XrB0
甘粕が怒られても永田さんや石原ンカさんとイチャラブ監禁されて終わりだし…
それまで動き積み上げたもので完堕ちさせたからなんやけどな、ぶへへ

9815 :名無しさん:2025/01/24(金) 18:50:38 ID:42F3Pn3e0
あんみつ姫とか暴れん坊将軍とか抜け出すと爺に怒られるよね
ルーク君だと、年嵩が足りないし、ビール樽婆に窘められるとか?

9816 :名無しさん:2025/01/24(金) 18:54:43 ID:42F3Pn3e0
>借金の借り換え契約書が2件、これは領内の商人から借りた分
>グリムホルン市参事会や神殿の神官、騎士の人事の承認、あと裁判結果の承認依頼

>せいぜい、本城の食費や修繕費などの経費の集計をする

留守番の間の代官として、書類持ってきた人との面会もやってますよね。
留守居の騎士がやってるなら、そちらから受け取った書類を受領してるのかな

9817 :名無しさん:2025/01/24(金) 19:24:33 ID:BdF+7Yy10
ほとんど自治や委任してて
流民開拓地が迷宮伯の持ち出しなら
数少ない直轄領になるかもしれないのかしら?

9818 :名無しさん:2025/01/24(金) 20:07:12 ID:/r4sVdAR0
迷宮伯が迷宮伯名義で借金して流民入植させたんならそれはもう迷宮伯の所有物、譜代になりうるわね 


9819 :名無しさん:2025/01/24(金) 21:39:38 ID:BdF+7Yy10
当代ママなら任せられるなら任せたいだろうけど、領の経営も学んできたオウド君はチャンスを見逃したくないよね
流民側も一部を除けば安定するまでは庇護されたいし、当面の保証も欲しいだろうから利害一致してる
一部は反発する
問題解決の過程で解消する

母「わからんしめんどう。助けを求められたら実力で対処する」
ルーク「現実的にこれ以上予算がないし、現状でも充分支援してるはず」
流民「住む場所はあるけどつよつよ領主さま出稼ぎに行ったしここ大丈夫なのかな。それに次の収穫がヤバかったらどうしよう」

に加えて不作スパイラルで領内の経済全体が停滞
領民「流民にカネかけるなら俺たちも生活苦しいんですけど」
交易商人「もの買ってくれないからよそ行った方が儲かるかなあ」
迷宮関係者「外の商人が来ないから産出物が価格低下起こして冒険者が離れそうで困る」
領内商人「ヤバい」

外の商人にとって魅力がある財を創造できるようにする
領内にカネを落として経済まわす
どちらかできないとスパイラル脱出できないのかな

9820 :神奈いです ★:2025/01/24(金) 23:36:45 ID:admin
査読はもんだいないかな?

9821 :名無しさん:2025/01/24(金) 23:42:52 ID:BdF+7Yy10
あれ、欲しいものは褒美じゃないの1行目

>「なぁ、本当に要らないものないのか?」

ここへんじゃね

9822 :名無しさん:2025/01/24(金) 23:46:42 ID:42F3Pn3e0
>>9820
>>9816がちょっときになったぐらいですね

9823 :名無しさん:2025/01/24(金) 23:54:21 ID:BdF+7Yy10
>「というわけで、ボクに許嫁とか居たりしないよね?」
>「帰ってきて最初の発言がそれですか。居ません」
>「えー」

結婚式を見てうらやましくなったのかなってルークが思うとか

9824 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 00:02:25 ID:admin
>ここへんじゃね

マジだ。日本語がおかしい

9825 :名無しさん:2025/01/25(土) 00:03:12 ID:3gNkRv+u0
>そこに少女が現れた。

回想の流れから直接指示語につながると一瞬どっちか迷うかも

>ルークの冷静な指摘にうなづく
「うなずく」のほうが現代的かと思います。古風に演出するなら

9826 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 00:05:12 ID:admin
うなづくとうなずくはどっちがどっちだったかわからなくなる。
頷くって漢字が難しいから平易な言い方をAI考えて

はい、考えました。

うなずく
首を縦に振る
同意のしるしに頭を下げる
はい、と言うように首を動かす

9827 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 00:05:33 ID:admin
>結婚式を見てうらやましくなったのか

採用

9828 :名無しさん:2025/01/25(土) 00:10:02 ID:3gNkRv+u0
第二ボタンほかの人にとられてなんでもいいからもらいたい人みたいになってたね

9829 :名無しさん:2025/01/25(土) 00:13:43 ID:3gNkRv+u0
魔法使いの恋人同士は自身に強い縁がある物品を贈り合って互いを位置探査できるようにする
とかいう風習とかどうかな

9830 :名無しさん:2025/01/25(土) 00:13:52 ID:Tn3haG+E0
年頃の貴族だし妾メイドの一人や二人居てもおかしくないのにピュアなオウドくん

母上が帰って来るまでに作らないと叱られそう

9831 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 00:23:19 ID:admin
うーん、とりあえず庶子でいいから作れって助言できる老人がいないな、ビアだる婆さんか、

9832 :名無しさん:2025/01/25(土) 00:35:00 ID:Tn3haG+E0
下世話な話だから酔っぱらった冒険者とか?
オウドくん「に」セクハラするんだ

9833 :名無しさん:2025/01/25(土) 01:05:45 ID:KWZeNbyJ0
西大公を見習って道化師を雇う?これは流民の子か

9834 :名無しさん:2025/01/25(土) 01:09:04 ID:3gNkRv+u0
髭にこだわりがある引退後余暇冒険者じいさん(新人)とか
引退して悠々自適な日々を送っていたけどくすぶっていたところ
不作で家の財政がちょっとよろしくない
子どもたちの足かせにならんように家出して冒険者になったジジイ

9835 :名無しさん:2025/01/25(土) 01:14:14 ID:z8A5ZQfO0
いい感じに助言くれるジモティの隠者を出すとか

9836 :名無しさん:2025/01/25(土) 03:03:49 ID:njyz+CGH0
「将来、同格以上の家から嫁を貰う前に、自分がちゃんと種ありか確かめる意味もあるんだぞ」
みたいな説教をしないと

「同格以上の家の娘を、石女扱いさせたいのか?」みたいな

9837 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 03:03:50 ID:admin
肩が凝りすぎてマッサージチェア使うと老廃物が一気にきて寝てしまう。

9838 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 03:22:22 ID:admin
魔法学園でモテるためには家臣抱いてるとかマイナス要素。でももう中退決定だと跡継ぎの可能性がないほうが問題になる。

9839 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 03:22:36 ID:admin
この辺は生臭くなるから書かないほうがいい。

9840 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 03:33:32 ID:admin

新章 第29話 許嫁は居ないしアテもない
https://kakuyomu.jp/works/16818093091603659446/episodes/16818093092785130963

9841 :名無しさん:2025/01/25(土) 06:29:19 ID:DxJTCtYg0
やはり妹ちゃんもヒロイン候補なのではw

9842 :名無しさん:2025/01/25(土) 06:50:20 ID:Tn3haG+E0
疲労回復ポーションを婿さんは喜んでいたけど、嫡女さんが飲んだら鬼に金棒で酷いことになりそう

9843 :名無しさん:2025/01/25(土) 06:57:35 ID:njyz+CGH0
言うほど勃ちもしなけりゃ動きもしない男を嬲りたいか?

9844 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 07:23:21 ID:admin
キズナレッドが良い

9845 :神奈いです ★:2025/01/25(土) 08:01:35 ID:admin
昨年から今年にかけて名作だらけでうれしいな

9846 :名無しさん:2025/01/25(土) 08:06:46 ID:njyz+CGH0
そういやガンダムの映画見ました?

9847 :名無しさん:2025/01/25(土) 08:52:37 ID:fKmgCH+k0
嬲りたいというか、ダーリンといちゃつきたいのが結果的に搾り取られてるのでは

9848 :名無しさん:2025/01/25(土) 08:54:14 ID:fKmgCH+k0
レッドいいですよね
異文化衝突!
科学じゃなくて魔術による健診みたいな手段は違うけど、研究者がやることはどの世界でも一緒とか

9849 :名無しさん:2025/01/25(土) 11:56:51 ID:tsZd+MSr0
ポーションで精力が回復するなら子種の中にポーションの成分が多分に含まれてるってことだよね
豪華なポーション使った貴族の子は強い子供が産まれやすいとか子供の魔力/身体能力を上げるパワーアップポーションとかありそう

そう考えるとママが冒険中に接種したマジックアイテムの成分がオウド君に遺伝してるとか
魔獣や竜の返り血を傷口に浴びた冒険者の子供が親と因縁のあるモンスターの片鱗を宿すみたいな浪漫あふれる設定に説得力が増すし
逆にモンスターの呪いと思われるものが実は遺伝疾患や拒絶反応で錬金レシピみたいに適切な素材を処方すれば呪いが反転してバフに変わるみたいな論文書けそう

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